PLの原点を、個と企業、21世紀の企業像の中で繰り返し強調するあたり、やはり中島社長の先見性はただものではない。この「型破り経営学」は、歌手としても成功したであろうが、経営学者、経営心理学者としても、間違いなく成功したであろう。演歌を歌う学者として、今頃はテレビでキャスターとして人気を博していたかも知れない。最後に、「中島社長にとって幸せとは?」と聞いてみた。「前向きに、限界に挑戦する目標を立て、社員や取引先の多くの人の協力を得て、その目標を達成したとき、そのときが一番幸せです」という。九三年の秋から暮れにかけ、将来をになう若手の平社員一○○○人を全国一○会場に集め、「創業の精神」「経営の理念」を叩き込んだあと、「社長に対する不満や要望、意見があったら、どんどんいってくれ。いま発言できなかったら、レポートしてくれ。全部読んでから、真剣に検討する」という発言に対し、一○○○人から直ちにレポートがきた。列車の中、車の中を問わず、寸暇を惜しんで一通残らず夢中で読み終わったとき、「こういう社員がいる以上、絶対にこの会社は良くなる。これほど社員をいとしく思い、好きになったこはない」と、興奮した面持ちで語る中島社長の顔からは、かつてない情熱とエネルギーが感じられた。「企業は人なり。人間が好き」という中島社長の訓話を聴いて、ますます中島社長に惚れ込んだ社員は多かったことであろう。人を大切にし、協力を得られる人間関係を築き、そして力のあらん限りのチャレンジをする。破天荒・型破り社長と見られている中島社長の中にある、努力家で真面目な人情家という側面を、いたく感じさせられたインタビューであった。


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